お困り事Q&A

税務調査の実施はいつ頃行われますか?

相続税の場合
「税務署の人が、突然、自宅や会社に来る」という場合はありません。
通常、事前に顧問契約をしている会計事務所などに税務署から連絡があります。
税務調査が実施される時期は、一般的には秋(9月から11月まで)です。
その後に、
税務署と相続人で日程調整をし、税務調査が実施されます。

申告漏れ又は仮装や隠蔽した際のペナルティはありますか?

ペナルティは、増額した本税に延滞税と加算税が加算され、さらに悪意があると認められると、配偶者の税額軽減が使えなくなります。
また税務調査で発覚した場合には、下記のようなデメリットがあります。
【単純な計上漏れ】
1.延滞税
納期限の翌日~修正申告の日まで 年4.1%
(単純な計上漏れの場合の計算期間は、最長1年間)
2.過少申告加算税
調査で指摘を受けて修正申告をした場合
相続税の増額分(増差本税)のうち 10%
【仮装や隠蔽の場合】
3.配偶者の税額軽減が使用不可
仮装隠蔽の場合は、配偶者の税額軽減が使えません。
たとえば、課税価格が2億円の場合、半分は配偶者が相続、残り半分の1億円分は税金が課税されないという配偶者控除がありますが、これが使えなくなってしまいます。
4.重加算税がかかる
上記1の他にさらに、上記2にかえて重加算税(増差本税の35%または40%相当額)がかかります。

5.偽りその他不正の行為により(通常査察による立件)相続税を免れた者は5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金

たとえば、1億円の預貯金を当初から申告した場合の税負担は2500万円、申告せずに調査でわかった場合は、配偶者税額軽減が使えず、重加算税、延滞税がかかるので、6955万円となります。
その差は4455万となります
※遺産規模が最高税率(50%)の相続人の場合です

割引債は税務調査で把握されますか?

無記名だから名義がわからないと考えて申告をしない人が多いようですが、結果的には税務調査でわかる場合が多いようです。
割引債とは、額面から利子相当分を割り引いた形で発行し、償還時額面金額で元本が返済される債券で、償還差益(額面金額と発行価額の差)が実質上の利子になります。
割引債は債権発行金融機関へ行って代金を支払って買うという事です。
保護預かりとして預けるときには貸し金庫で名前を言う必要がありますが、現物保有していれば無記名となります。そのため、無記名だからわからないだろうと考えて申告しない場合が多いようです。

自分が住んでいないところにある預金(遠隔地預金)は税務調査で分かってしまいますか?

遠隔地の金融機関でも、預金をしている可能性が見られればすべて税務調査を行います。

分かってしまうと考えたほうがいいでしょう。
銀行預金の調査は、相続税の申告書に記載されている銀行だけで行われるわけではなく、被相続人の住所地の近くにある銀行や勤務先の近隣の銀行、勤務先の取引銀行に書面での照会を行う事も多々あります。また、被相続人名義のものばかりでなく、相続人や同居の親族の名義のものにも行われます。

そのため、遠隔地にある預金がわかる事が多々出てきます。

その他、臨宅調査を行ったときにその家の電話帳を見て金融機関の電話番号を控えています。
また香典長もチェックされます。
(香典長には香典をくださった方の住所・氏名・香典の金額が記録されています。)
取引がある銀行の支店長などは香典を持ってくる事が多いものです。
預金額が小さければ香典をあまり持ってきませんが、預金額が大きくなるとちゃんと香典を持ってきます。
しかもほとんどの場合、香典の額が預金額の大きさに大体比例しています。
そのため遠隔地にあるといっても取引のある金融機関名は把握されてしまいます。

郵便局の貯金は申告の必要がないのでは・・?

郵便局の貯金も申告しないと、税務署から指摘されます。
郵便局といえども貯金業務は他の金融機関と同じなので、資産を預けている可能性があるとみられます。

そのため、すべて財務調査が行われると考えてください。
昔は郵便局には実際に税務調査が入りませんでしたが、今はすべての郵便局(貯金事務センター)に照会がいきます。
このの照会は、家族すべての名義で行われ、郵便局はこれに答えなる必要があります。
そのため郵便局の貯金は把握できないというようなことはありません。
ちなみに簡易保険も同様です。
お気を付けください。

財産の内容は全て相談先に話すべきでしょうか?

当研究所では、現状に則した最大限のアドバイス、手続きをさせて頂きます。
そのため、全てお話頂いた方がスムーズにいきます。
相続のお手伝いをしているとこんな質問をときどきお受けします。
「郵便貯金を隠しもっている(あるいは割引債(割引金融債)や遠隔地に預金口座をもっていることが)ことが伝わってしまいますか?」
結論から申し上げますと、当研究所は、お客さまを税務署から守る立場にあるため、正直に言ったからといって、そのまま税務署に筒抜けにはなりません。
しかし、当研究所が脱税の手助けをすることはありません。
ただ「これはやめておいたほうが・・」「こういう主張がよりよくなる」などアドバイスはさせて頂けます。
ですから基本的には、ご相談先には全てお伝え頂いた方がよいでしょう。
後々、税務調査が入ったときに慌てないためにも。