事業継承

事業継承とは・・・

一般的には、閉鎖会社や同族会社のオーナー社長が、後継者に事業を継承させる場合のことを指しており、相続財産の評価などの相続対策と後継者の育成等の会社の存続発展とが課題となります。
事業承継はオーナー経営者の一族、会社および従業員にとって重要な影響を及ぼすので、早期に後継者を特定し、会社の株式と事業用資産を後継者に取得させることが肝要です。

似て異なる
事業承継とは・・・

辞書で調べると「継承」と「承継」はこのような違いがあります。

【継承】とは

「先の人の身分権利義務財産などを受け継ぐこと。」であり、「王位を継承」とか「権利を継承する」という意味です。

【承継】とは

「先の人の地位事業精神を受け継ぐこと。」とあり、「伝統を承継する」とか、「理念や精神を承継する」という意味となっています。

このふたつを比べると、言葉的にはとても似ているように思いますが、「継承」と「承継」は明らかに 違う意味です。
事業を次の世代に渡したい現経営者のかた、この言葉の意味をご理解いただき、どちらをなさりたいのか、はっきりとさせてから事業というリレーのバトンをどのように渡されるお考えでしょうか?

経営権の引継ぎ

未公開企業にとって、通常オーナー社長の存在自体が会社の強みとなっているケースが多いです。オーナー社長のから後継者に経営権が引き継がれても能力・やる気が不足しているために経営がうまくいかなくなるケースも多いです。

そこで円滑な事業承継を行うためには、後継者を事前に決定し、育成・教育を十分に行うことが必要です。後継者がいない場合は外部から優秀な人材をヘッドハンティングすることも検討してみましょう。
※当事務所は、役員変更登記の手続を行っております。また、許認可をお持ちの企業の代表者変更の手続も行います。

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後継者の心得

商売を継承することは大変なことです。現金や土地を相続した場合は、苦労はありませんが、商売は自分が努力しないと衰退してしまいます。

商売を継承することは、長年築き上げてきた伝統、社会的信用、取引関係、顧客を相続していることを忘れてはいけません。何よりも顧客が大切です。顧客を失わない限り潰れません。そう考えると、事業を承継したということは、目に見えない財産を引き継いだということになります。

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自社株の引継ぎ

後継者が実質的に経営権を引き継ぐためには、社長の地位だけでなく、会社を支配するのに可能な数量の自社株を取得することが必要です。

しかし、業績の良い会社は、自社株の評価が高くなるため、相続で一度に自社株を後継者に引き継がせると、相続税の負担が重くなってしまいます。そこで、株価を適宜引き下げながら生前にある程度株式を、後継者に移すことを考える必要があります。

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事業承継の承継者の傾向

ご子息に継がせることをご希望される経営者の方が多いのは事実です。
しかし、ご子息の希望や経営者としての適性を十分に考慮し、後継者を決定することが重要になっています。20年以上前には9割を占めていた親族内承継は6割を切り、従業員等やM&Aでの親族外承継が急速に増加しているといわれております。
一般的に事業承継の検討をする場合には親族承継、社員等による承継から検討され、M&Aによる承継は想定さえされていないケースも多いと思われます。
子供が引き継いでくれることを願うあまり、ご子息は継いでくれるものと思い込んでしまう一方ご子息は全く別のことを考えているということもよくあります。

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事前継承は計画的に

事前継承には時間がかかります。

ご子息や社員へ引き継いでいる場合
経営者教育(人的承継)には時間がかかります。
経営権を確保するために株式を移転する(物的承継)に際しても、タイミング・対策次第で税金が大きく変わります。
M&Aを決断された場合
必ずしもM&Aの相手がすぐに見つかるというものではありません。
リーマンショックのような経済ショックがあるとM&Aによる買収の検討がストップすることもあります。

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「誰に」「どのような方法で」「いつ」事業承継していくのかについての計画を立案し、実行してください。